頑張りすぎる愛犬 僕が家族を守る!! ( 2006/09/19 ) Buddy Dogでは、愛犬とオーナーのための『犬の幼稚園』で育て方、しつけ、そして問題行動のカウンセリングなどを行っています。
それ以外にも様々な相談を受けます。
相談内容は、犬のトイレトレーニングや咬みつき抑制について、怖がり、散歩時の引っ張り、吠え、飛びつき、留守番、言うことを聞かない、攻撃性、などが代表的です。
それらの行動を起こす原因は実は1つではなくケースバイケースで、トレーニングにもいろんなパターンがあります。
【Aくんの実例】
Aくんは2才です。
とっても明るくて元気な愛犬です。ところが、オーナーは、少しAくんのことで悩んでいました。
じつはAくん、最近よく歯をむいてうなるんです。おまけにここ1ヶ月で3回家族を咬んでしまいました。
『まさか、愛犬に咬まれるなんて・・。』とママは非常にショックを受けています。
ママは、散歩の後いつものように足をタオルで拭こうとしただけなのです。
ウッーっと歯を剥いたかと思えば、一瞬でカプッと腕を咬み、その後はケロッとしています。
後の2回は、ブラッシングしようとした時に咬まれてしまいました。
ママによると、Aくんは仔犬のときから手がかからず、トイレもすぐ覚えたし、『オスワリ』も言わなくても自分からするということでした。
咬むこと以外に気になることは、散歩中他の犬に向かって吠えて興奮することで、どうもAくんは自分で自分のことを人間と思っているらしく、犬が嫌いだということでした。
ちなみにAくん、幼稚園ではおとなしくスタッフのされるがままです。
お腹も見せてくれるし、トリミングも大丈夫です。
ママは、何でAくんが自分を咬んだのかさっぱり見当も付かないようです。
皆さんは、Aくんの咬む理由、想像できますか?
実は、Aくん、頑張りすぎていたのです。
トイレもすぐ覚えたし、特にしつけの必要性を実感しなかったことが裏目に出て、今まで何もしつけらしいことはされていませんでした。
Aくんは家の中の好きなところを自由に行き来し、お気に入りの場所を自分で決め、ご飯の時間になると吠えてママに教えていたのです。
Aくんからしてみれば、家族の誰も自分に何をしたらよいのか教えてくれないので、自分で思うように行動してきたにちがいありません。
家族が頼りないから、自分がしっかりしたリーダーにならないと群れが滅びてしまうと思って頑張っていたのかもしれません。
小さいときにあまり他の犬と触れ合う機会がなかったせいで、本当は他の犬が怖いのに、オーナーが頼りないから追い払うために吠えていたのかもしれません。
Aくん、そんなに頑張らなくてもいいんだよ。
Aくんの代わりに家族のみんなにもっと頑張ってもらうことにしました。
接し方のルールを決め、Aくんの要求に応える関係から、オーナーが要求してAくんが応える関係を目指しました。
コマンドにきちんと従えるように、そして『喜んでコマンドをききたくなる』ようなトレーニングを日常に組み入れてもらいました。
それとストレスをためないよう、運動量も増やしてもらいました。
重要なのはオーナーが、Aくんから信頼されて頼られるような、人になればよいのです。
試行錯誤の3ヶ月が経過して、ふと気が付くとママはあれ以来、Aくんに咬まれていません。
歯をむくこともずいぶん少なくなってきました。
ようやくAくんと家族との関係が本来の形に近づいてきたのです。
しつけに終わりはありません。
犬と暮らす以上、常に家族は犬に頼られる存在でないと、どちらもストレスを抱え込んでしまうことになります。
愛犬はAくんのように頑張りすぎていませんか? | |