ワクチンにウイルス混入騒動 ( 2010/02/08 )
ワクチンにウイルス混入騒動
毎日新聞に、「ワクチンに、想定外のウイルスが混入していることが確認された」との記事が載っていました。
このニュースは、結構あちこちで話題になっているみたいですね。
取り上げているブログも多いようです。
ただ、報道の仕方が、適切であったのか?
ワクチン=悪 ワクチンを勧める獣医=悪 みたいな論調の人もいる様子なのが、少し心外です。
「ペットが交通事故で死んだのは、ワクチン接種のせいかも知れない」と、言い出しそうな方もいるようです。
メーカーに電話で問い合わせたところ、不活化ワクチンには関係ない、との回答でした。
生ワクチンのメーカーにも問い合わせたのですが、「今のところ、どこか分からない。」とのことでした。
副作用自体は、報告されていない、という答えでしたので、そのメーカーも、記事を読んで驚いていたようでした。
毎日新聞の記事も、どこのメーカーの何とも書かずに記事にしているのが、飼主に不安を広がらせる書き方ですが、記事が、即危険をもたらすと決まった訳でもないだけに、冷静な対応が必要であろうと思います。
現在の状況から言えることは、
− 生ワクチンには内在性レトロウイルスが混入しているケースがあること。
− 混入している量は、ごく微量であるため、ワクチン接種による内在性レトロウイルス感染の可能性は低いこと、ただし、全くないとは言い切れない。
− もし、この内在性レトロウイルスが感染した場合に、どのようなことが起きるのか(何も起きないことも含めて)未知であること。
だと思います。
内在性レトロウイルス混入が問題になるのは、生ワクチンの場合であること、ウイルス混入の有無や混入量は、製造ロットによっても異なり得るということは、知っておいて頂きたいものです。
内在性レトロウイルスに関する研究は、まだ途上にあり、このウイルスが動物や人に対してどのような振る舞いをするのかは、現時点では分からないことが多いです。
絶対に安全とは言い切れないため、その存在を意識しておくことは重要だと思います。
心配なのは内在性レトロウイルス感染に対する不安感ばかりが増長されて、ワクチンを全否定するような風潮になってしまうことです。
やはり感染症制御におけるワクチンの効果は大きいと思います。
確かに、ワクチン接種というのは獣医にとっては大事な収入源だと思いますが、犬や猫に良くないことを知っていながらワクチン接種を勧める獣医は、いないと信じています。
基本的に獣医はペットやその飼主のことを真剣に考えているものだと思います。
ただし、悪徳獣医師、もしくは不勉強な獣医師が一部で存在するのも確かなんですけどね。
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