飼い主の責任 ( 2006/10/09 ) 以前、「子猫殺し」のエッセーが新聞に掲載されたことがあります。
この直木賞作家は、「社会への責任として子猫を殺す」と書いていました。
小説家ですので、もしかしたら事実ではないことを書いていたのかもしれません。
でも、もし事実だとしたら、この作家は犯罪者です。
社会への責任を果たすというのは大切なことだと思います。
でも、愛犬・愛猫は私たちに属している家族です。
私たちが守るべき家族です。
自分が属する社会への責任を果たすことは大切なことですが、家族に対して責任を果たすことの方がはるかに大切だと私は思います。
家族への責任を果たさずに劣悪な環境で飼育していれば、そこから病気が発生したり、問題行動などで社会へ迷惑をかけることがあります。
また、飼い主の責任を果たさずに家族を捨てたり、殺したりすることも、社会への責任を守らないことにつながります。
自分が守るしかない家族への責任を果たすからこそ、社会への責任も果たせるのではないかと、私は思います。
犬や猫は、野生動物を人間が飼うために改良した動物です。
「人間が飼うため」というのは、「人間といっしょに暮らしていくため」でもあると思います。
「いっしょに暮らす」ことは単に同じ家にいることを意味しているのではありません。
「飼う」という行為は飼い主に犬・猫に対する責任を負わせる行為です。
だから、飼い主は犬・猫の健康管理や正しい飼い方を勉強しなければなりません。
愛犬たちの健康管理や環境整備などいっしょに暮らしていくために私たちができることには限界があります。
どんなに犬好きな人でも、1人だけで犬は飼えないでしょう。
犬の世話だけでも時間が足らず、自分の生活に必要な時間も足りなくなってしまうと思います。
人間に飼われることを前提とした動物は、野生動物を改良されてできた種類であり、すでに自然な姿とは言えないのです。
ましてや、親兄弟犬と一緒にいて社会性や噛み付きの抑制を学ばなければいけない時間を奪ってまでも、飼う以上は飼い主として愛犬に対する責任があるのです。
ですから、「今まで何の問題もなかったから」「自然にしつけができるどうの」などと言う前に、愛犬たちにとって必要なことは何なのか、愛犬に対して自分ができることは何なのかを考えるべきではないでしょうか?
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