実は無法地帯?やりたい放題! ( 2006/12/30 ) アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなどでは、フードは畜産動物の飼料と一緒に『飼料法』で、国や州ごとに管理されています。
例えば、アメリカでは『AAFCO(米国飼料検査官協会)』が決定した基準を各州が飼料法として反映し、『FDA(連邦食品薬品局)』が薬事関連の規制を行い、『USDA(連邦農務省)』が製造、原料管理をする上での法規制があります。
では、日本はどうでしょう?
残念ながらペットフードを規制、管理する直接的な法律は今のところ存在しません。
ただ、 ・関税定率法 ・屠畜場法 ・食鳥処理事業の規制及び食鳥検査に関する法律 ・家畜伝染病予防法 ・飼料安全法 ・食品衛生法 ・PL法(製造物責任法) ・容器包装リサイクル法 など様々な関連法律が関与しています。
上記の『屠蓄場法』を例にとってみると、屠畜場から出る畜肉原料の安全性や使用規定などが細かく定められており、「肉を調達する」といってもそう簡単ではないようです。
しかし、あくまで人間の食用に使用する際の法律なので、使用目的がペットフードとなればその法律がそのまま反映するのか?という疑問は残ります。
実際に屠畜場から腐敗した肉の山を調達して行く業者が目撃されたりしています。
フード業界では、直接的な法律は無いけれど、間接的に影響を受ける法規制があり、それによって品質の安全性についての保証がされているのだ。
と表現しますが、正直不安です。
人間の場合、食品について直接関係する法律がたくさんあるのはご存知かと思います。
しかし、それを無視して商品のラベルを偽って賞味期限をごまかし、何度も同じ商品を流通させていたり、「国産○○牛」とか言っていた物が輸入物だったり、賞味期限が切れた牛乳を再利用していたり、といった企業の「利益」だけを考えたひどい事実が発覚し、幹部達が逮捕されるという事件は記憶されているかと思います。
いろいろと厳しい法律の管理下にあるはずの人間の食材ですらこんなところです。
フードは「食品」ではありません。
そして、ペットフードそのものを直接取り締まる法律も存在しません。
どれだけフードメーカーが『どんなに良い商品である』と言っても、ほとんど無法地帯だという印象は拭いきれないでしょう。 そんな曖昧なフード業界の象徴的な事例があります。
引用: 北海道消費者センターは『たしかな目』(国民生活センター)の誌上で、ペット用のボーン、ジャーキーのテスト結果を発表しました。
それによると、原材料表示には「牛」とあったのに実際は「羊」だったものがあったそうだ。
同センターでは、ゲル内沈降法という方法で9つのボーンとジャーキーを調べたのだが、3つの商品においては牛という表示にもかかわらず牛は検出されず、そればかりか羊、豚、鶏も検出されず、結果として何の肉が使われているのか分からないというものがあったという。
原材料の表示さえそんな具合だとすると、その安全基準についてだれが信用できるだろうか。
また、同じ『たしかな目』の埼玉県熊谷消費者生活センターのペットフード29銘柄のテストによれば、酸化(油の劣化)が全般的に高く、厚生省が人間用に定めた油菓子の酸価の基準値5mg/gをクリアしているのはわずかに6銘柄だった。
また、酸敗が進んでいた商品もとくに製造年月日が古い物とは限らず、記事はこれを「原材料が古くなっていたためと考えられる」としています。
パッケージの「表面上に書かれた表示」だけを信用するのは極めて危険です。 | |