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Dog's health飼い主の責任
愛犬の健康に関しては、『知らなかった』では済まされないことが多すぎます。 しかし、『知る機会が無かった』というのも事実でしょう。 これからは、家族の一員として迎えた『命』を守るという意味で、健康管理に注意をして下さい。 健康管理まずそれが飼い主として最低限の責任だと思います。 今現在の愛犬が健康に見えていれば、そんな知識など必要ないと思っている方も多いでしょう。 自分の周りに苦しんでいる愛犬がいなければ分からないものです。 園長はついこの前まで元気だった子が、ある日突然体調を壊すのをたくさん見て来ています。 そして次の日から獣医さんへ通い詰めて、手術をしたり、薬漬けになってみたり、点滴を受け続けるといった日々を送り、苦しみながら亡くなる愛犬がいることを知っていて下さい。
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●大切な愛犬のシニアライフ
大切な愛犬のシニアライフ
愛犬たちのきらきらと輝くシニアライフのために、私たちに何が出来るのかを考えてみましょう。
私たち人間のシニア世代の方々はますます元気ですね。
仕事や育児などの多忙を乗り越え、第二の人生を謳歌している姿はきらきらと輝いて見えます。
ただ長生きするだけではなく、どのように年を重ねていくのか、という「生活の質」が重要だと思います。
私たちの愛犬や愛猫の平均寿命も急速に伸びています。
2004年の調査では、犬が11.9歳、猫が9.9歳と12年前よりそれぞれ3.3歳、4.8歳も伸びています。
●愛犬たちだって幸せに年を重ねたい
愛犬・愛猫たちは私たち人間よりもずっと早いスピードで命の時間を刻んでいきます。
ついこの間まで子供だった子が、気がついてみれば自分の年齢を超えていることに驚くこともあるでしょう。
わが子のように愛している愛犬の命の終わりを考えるのは苦しいことです。
しかし、その命が永遠でないことをわかっていながら、老いていく姿を見て見ない振りするのはとても失礼なことです。
素敵なシニアライフを送る権利があるのですから。
●シニアライフを満足させられるのか
愛犬・愛猫が私たちよりも長生きすることはほとんどありません。
ほとんどの場合、ペットを見送るのは私たちです。
当然、その過程で愛犬の老いと向き合うことになります。
そんな時、「あんなに元気でやんちゃだったのに、かわいそう」と嘆くのではなく、「これからのシニアライフをどれだけ満足いくものにしていけるのか」を発展的に考えることが愛する子たちにとっての幸せです。
「もう年なんだから仕方ない」と諦めれば余計に老け込み、「私の人生まだまだこれからよ」と前向きでいれば若々しさを保つ大きな要素となります。
「生活の質」の向上は私たちがどれだけ観察し、信頼できる獣医と協力して、正しい心配りが出来るかにかかっています。
●愛犬の老いのサインを見逃さない
同じ60歳でも10歳若く見える人と、年相応の人と、10歳老いて見える人がいます。
いくつになれば老人であると一括りにすることはできません。
愛犬たちにおいても、何歳になったからシニアである、と年齢だけで判断することはできないはずです。
犬種や大きさ、それまでの生活習慣によって個体差があります。
だからこそ、毎日の観察が必要なのです。
老いの兆候は見た目にも表れます。
眼が白っぽくなってきたり、顔の毛が白っぽくなってきたりすることで気が付く飼い主が多い様ですが、その他にも耳が遠くなったり、被毛に艶がなくなりもつれやすくなったり、お散歩で歩く速度が遅くなったりということもあります。
また、口臭は歯石がたまり、口内の細菌が増殖している証拠です。
これらの小さなサインを見逃さないことが、早期治療と早期対策に繋がります。
●老いの兆候に気がついたら?
体に触れ、日常の動作を観察することで今までとは違う何かを感じたら、それを記録しましょう。
手帳でもカレンダーでも、身近にあってすぐに書き込めるものに気がついた変化や、食事、トイレ、行動の様子などを書く習慣をつけることはとても大切です。
獣医師に相談するときに、変化が起こった時期や変化の過程が明確であればあるほど、治療に役立つことはいうまでもありません。
老化は病気とは異なります。
老化とは、長年働き続けてきた体の細胞が疲れて、弱く鈍く少なくなっていくことです。
その細胞レベルでの老化が繰り返され、やがて病変となって表れることもあります。
つまり、老化とは病気の入り口ともいえるのです。
日頃の変化に早めに気付けば早期治療に繋がります。
病院での定期検診はもちろんのこと、飼主だからこそ発見できる変化にいち早く気付き、愛犬にとってシニアライフが辛く苦しい時間にならないように配慮しましょう。
●毎日のボディーチェックを習慣に
病院で定期健診をすることは非常に好ましいことですが、それだけに頼っていてはいけません。
飼い主だからこそできる毎日の観察で変化に早く気付くことが重要です。
観察というとたいそうなことを時間をかけて行わなければいけない気がしますが、毎日の挨拶やお散歩の時に五感で感じる程度でよいのです。
老化は触った感触でも分かります。
犬でもそれまでのような弾力や張りを感じられなくなったり、触り心地が悪くなってきたりします。
その他、歩き方がぎこちなくなったり、大型犬の下半身がブルブルと震えていたりしたら老化現象かもしれません。
●日常生活の変化を敏感に察知して
体力の低下、柔軟性の低下、筋肉、関節の機能低下など、体の老化に伴って生活も変化してきます。
今まで1時間でも2時間でも平気だった散歩が、途中で疲れる様子を見せるようになったり、食事量は同じなのにトイレの回数が増えたり減ったり、睡眠時間が長くなったりするのは一般的な老いの兆候でもあります。
また、人間の「認知症」のような老化による異常行動も多くなっています。
無駄吠えが多くなる、落ち着きがなくなる、部屋の隅にぶつかっても方向転換できない、宙を見つめて吠えるなどの症状が見られるのが特徴です。
食欲、飲む水の量、トイレの状況、睡眠時間等の日常行動の変化を敏感に察知し、変化に応じた対処をすることが大切です。
●「安全に」「楽に」暮らせる環境づくり
若い頃は特に問題のなかった生活環境が、老いていくにつれて辛く不便なものになることがあります。
快適な環境は年齢によって変化していくものです。
愛犬にとってなるべく負担がかからず、安全な環境作りをお願いします。
●「食事」「水分補給」「運動」に気をつけて
シニアに限らず「食事」「水分補給」「運動」のバランスが健康維持に欠かせないことは、ご存知の通りです。
しかし、成長期と同じような食事の与え方や運動量では、シニアの健康を損ねることになります。
加齢により基礎代謝は低下します。つまり、摂った栄養をエネルギーとして使える量が減ってくるのです。
成犬期と同量のフードを与え続けると、内臓への負担になります。フードの見直しが必要です。
また、加齢と共に脱水しやすくなってきますので、1日に水をどのくらい飲んでいるかをよく観察し、必要に応じて補給することが大切です。
いくら運動が好きだからといって、若い頃と同じように日が暮れるまでフリスビーをしたり、2時間も3時間も散歩させたりしていては、関節に大きな負担を与えることになります。
特に大型犬の場合は注意が必要です。
体温調節機能も落ちてくるので、散歩する時間帯や気温、天気に充分配慮しましょう。
いずれも獣医に相談した上で、愛犬にあった量や方法を選び、また、その後の変化によって随時調整していきましょう。
●家具の配置や床にも気をつけて
認知症の愛犬は家具の隙間などに入り込み、出てこられなくなることもありますので、家具の配置を見直す必要があります。
また、滑りやすいフローリングやクッションフロアのお宅は、カーペットを敷いて滑らないよう工夫しましょう。
但し、カーペットでも毛足が長すぎると逆に爪が引っかかり、転倒の原因となってしまうことがあるので注意が必要です。
床全体にカーペットが敷けない場合には、部分用カーペットでもかまいませんが、滑り止め用シートを下に置き、カーペットごと滑らないように対策してください。
●日々のお手入れの工夫
私たちと同じように、加齢に伴い皮膚は乾燥してきます。
過剰な入浴は乾燥に拍車をかけます。
極力入浴は避け、させた場合は体を冷やさないように良く乾かすよう工夫しましょう。
このときも、いきなりドライヤーを使用すると、乾燥を増長させることになりますので、出来るだけタオルで水気をふき取ってから熱すぎない風を当てるようにしましょう。
被毛の抜け変えが鈍くなり、からみやすく毛玉が出来やすいようになるのも老いの特徴です。
ブラッシングは毎日必ず行いましょう。
高齢の愛犬は運動量が減るため、若い頃のように爪が減らなくなってしまいます。
爪が伸びすぎると歩きにくくなり、事故の危険性を高くしますので、立っているだけで爪が地面に着いてしまったら切ってあげましょう。
●トイレはいつも清潔に
老いてくると、今まできちんと出来ていたトイレを失敗することもあります。
排便、尿の我慢が出来なってくるのです。
老犬自身もそんな自分にショックを受けています。
外に連れ出す回数を増やしたり、ハウスの近くにトイレを置いたり、トイレの場所を増やすなどの対応が有効です。
常にトイレを清潔にし、もともときれい好きな犬が安心してトイレが出来る環境を整えましょう。
●快適なベッドを用意する
高齢になると睡眠時間が長くなります。
落ち着いてぐっすり休めるよう改めて現在の寝床を確認してみましょう。
皮膚の表面が乾燥してくるシニアには、硬くて冷たい床の上にそのまま寝ることは苦痛です。
特に犬の場合は、肘にタコができてしまうこともあります。
弾力性のあるものを敷くようにしましょう。
また、極端な暑さや寒さに弱くなっているため、温度と湿度の管理にも充分気をつける必要があります。
ソファーや人間のベッドなど、高さのある場所で眠る癖がある場合には、マットレスなどの似た感触で低いものを新たな寝床として用意すると、転落の防止にもなります。
若ければ心配しなくても家の中で最も快適な場所を見つけてそこに落ち着くことが出来ますが、老齢になるとその場所へ行くことも重労働になる場合があります。
日当たりが良く暖かい場所にいつでもいられるよう配慮してあげましょう。
●段差の問題を解消する
足腰の弱くなったシニアにとって、階段や玄関の段差は大きな危険ともなります。
玄関にスロープ(坂道)を作ったり、階段を上ることが危険と判断した場合は、段差を小さくするためのブロックなどを使用したり、階段を使用できないようにゲート(人間の赤ちゃん用の折りたたみ式ゲートなど)を設置したりすると良いでしょう。
ゲートの柵の間を通り抜けられる小型犬の場合は、柵に布や網を覆ったタイプが安全です。
猫は自分の限界まで高いところに登ります。
もし、今まで難なく飛び降りていた高さからの着地に失敗することが多くなったら、高いところに上れないよう工夫する必要があります。
ベランダのような危険な場所にやむを得ず出す場合は、首輪とリードをつけて、対処できない場所へ行ってしまわないように注意しましょう。
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