なぜ狂犬病の予防注射が必要なのか?
「狂犬病は、日本ではもう発生がないので安全だ」ということを言う人がいます。
しかし、狂犬病は本当に「過去の病気」なのでしょうか?
現在、狂犬病清浄国(狂犬病の発生の無い国)と言われているのは、日本や台湾、イギリス、北欧の一部やオーストラリア、ニュージーランドなど、世界のほんの一部の国だけです。
確かに日本では、1957年以降国内での狂犬病の発生は報告されていません。
しかし地球上の大多数の国では、いまだに多くの人や動物が狂犬病で命を落としています。
このことは、狂犬病が決して「過去の病気」などではなく、今現在も常に日本に侵入する危険性のある、非常に怖い病気である、という事を意味しています。
狂犬病の発生を防ぐためには、狂犬病の予防注射を接種することが重要です。
本来なら、全ての哺乳動物に予防接種をすべきところですが、実際にはヒトとの接触の機会が一番多い「犬」に対して、狂犬病予防注射を接種することが、現実的な対応策とされています。
「狂犬病予防法」は基本的に「人間の命と安全」を守るために定められた法律であり、犬や動物達のための法律ではありません。
したがって、犬に対して多少の負担を強いる内容になるのはある程度仕方のないことです(確かにワクチン接種による副作用のリスクも否定できません)。
「狂犬病に感染するのが怖ければ人間がワクチンを接種すればよいだろう」と言う暴論もあるかもしれません。
海外旅行者はそうすべきです。
しかし世の中には「動物嫌い・犬嫌い」の人も沢山います。
こういう人たちから言わせれば、「それなら犬を飼うことを禁止すればよい」となるかも知れません。
大切なのは、『「狂犬病」は、BSEや鳥インフルエンザなどとは比べ物にならないほど怖い、非常に致死率の高い感染症であり、私たち人間の命に関わる重大な問題だ』と言うことをきちんと認識することなのです。
「狂犬病の予防注射なんて打たなくても構わない」と考えている方がもしいるとすれば、それが「社会人として責任ある判断」なのかどうか、良く考える必要があると思います。
狂犬病予防注射の接種時期
狂犬病予防注射の接種時期「飼犬の登録」をしている人は、毎年3月になると「狂犬病の予防注射のお知らせ」の葉書が送られてくる事と思います。
これは日本では4月の初めが「狂犬病予防週間」として定められているからです。
なぜ4月か、と言えばこれは行政の都合であり、獣医学的な理由からではありません。
したがって、なんらかの都合により4月に狂犬病の予防注射を接種できなかったとしても、他の月に接種すれば全く問題ありません。
なかには毎年○○月に接種している、という方もいます。
ただしこのような場合には、役所から「今年度の狂犬病予防接種をまだ受けていません」と言うお知らせが来る場合があります。
これは、行政が4月からの年度制を基準にしているため、例えば前年の12月に注射をしていたとしても、「今年度は未接種」と見なされてしまうためです。
しかし、きちんと毎年接種しているのならば、何ら問題はありませんのでご安心下さい。
mascotsは狂犬病予防注射へ
mascotsは狂犬病予防注射へBuddy、Masato、Leon、Luckyは「狂犬病の予防注射」に行きました。
SARSや鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ発生に対する国内の騒動を見れば、もしも日本で狂犬病が発生した場合、国中がパニック状態に陥る事は想像に難くありません。
しかも狂犬病の場合、感染して発症した場合の死亡率はほぼ100%ですから、その脅威はSARSやインフルエンザの比ではありません。
一人ひとりが責任を持って飼犬の狂犬病予防注射を受け、国内のワクチン接種率を高い水準に保つことができれば、このようなパニックに陥る必要は全く無くなると思うのです。
自分の愛犬を守るため、自分達の命を守るため、愛犬に狂犬病の予防注射を接種することは、飼主として果たすべき社会的責任の一つであると言えるのではないでしょうか。