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Dog's discipline
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 | 間違いだらけのしつけ方
犬はどのように学習していくのか?
犬の行動を理論的に知っておくことで、犬も人もお互いに、楽しく、効果的な方法でしつけることができるはず。
現在からでも遅くありません。
愛犬とのより楽しい生活のために、しつけ方の正しい知識を学びましょう。
犬幼稚園 Buddy Dogでは犬の飼い方・しつけ方・マナー、食事、犬の健康管理・メディカルに関するお話を
随時、園長が行っています。
ドッグスクールって?
先週、都内某所の○国式ドッグスクールの1ヶ月お預かりトレーニングを終了し、帰宅途中にトリミングに立ち寄られたおともだちがいました。
飼主家族は犬や人にフレンドリーなワンちゃんにしたくて預託トレーニングに出したのだそうです。
飼主家族との会話、そのおともだちの様子で疑問が沸々と....
●体重が入校時5.8kgだったのが1ヶ月で4.3kgに1.5kgの減量? (食事を摂らなかったからという説明だったそうです。???)
●愛犬との面会は予約制だったそうです。 (なぜ随時面会できないの?困ることがあるの?)
●シャンプーはスクールでしなくても良いと飼主が言っていたのに (そのまま帰宅させられない理由でもあるのか?) (プロのシャンプー?足回り、肛門腺、耳etc何もやっていない)
●トレーニングの内容? (其々のやりかたがあるので省略)
●犬幼稚園でのようす (他の犬から逃避が顕著、何のためのトレーニングだったのか?) 長期に預託しているのだから少なくとも健康管理だけは徹底すべきなのでは?
生き物を相手にしているので新発見の日々です。飼主さんや犬たちにたくさんのことを教えられています。
その結果、考え方も変化しています。
以前は犬との上下関係を構築し、飼主が愛犬をコントロールすればよいという従来のやり方のメッセンジャーでした。
最近では、無理に上下関係をつくらなくても(全否定をしているわけではありません)犬との信頼関係があれば良いと考えるようになりました。
「犬はしつけるのではなく、犬同士で学習してもらい
飼主と一緒になって適正なしつけ方を究明する」を現在のスタンスに!
しつけ本の教えの決定的な間違い
頑張って実践したしつけ本の教えの中には多くの誤りがありましたが、決定的な間違いは、
【悪いことをしたら犬をリードで叩く】
【犬がジャレて噛んで来たらマズルを叩いて(弾いて)叱る】という教えです。
これではモンスターたちにはリードや人の手がとても恐ろしく、自分に強い痛みを与えるものだと思うに違いありません。
決して愛犬が悪いわけでは無い・・ということです。
きちんとしつけをしたいという思いは、飼主として当然抱く考えです。
飼主として向上心のある方が、信じて実践した事が間違っていて、愛犬に強い不信感を持たせ深刻な問題行動の引金になってしまうことが多々あります。
気の毒な事態なのですが、適切なしつけを行えば必ず改善できると思います。
改善には時間がかかることもありますが、まず愛犬についてしっかり理解してあげることが大切です。
多くのモンスターは生後2ヶ月弱でペットショップから購入した愛犬です。
そんな時期に親・兄弟と離れ、社会は何が怖くて何が怖くないのか、遊ぶとはどういうことか、自分の身をどうやって守るのか、誰が守ってくれるのか、何にも知らない状態です。
この段階から学習することは、良いことも悪いことも、愛犬の心身に深く刻まれます。
大好きなママから叱られる経験や、縄張りや主従関係の意識が芽生えたりなど、様々な混乱を通して、多くのモンスター犬は攻撃(叱られること)に負けない、やられる前に噛み付く、侵入者(来客)に自分の強さを知らしめる行動へと試行錯誤でたどり着いたのでしょう。
家の中でのマーキングや排便は自分の上位を示したり、飼主さんが嫌がることを分かっていてしている行動です。
とにかく、モンスターたちにとっては自分の強さをアピールしないと不安でたまらない日々なのです。
自分が弱いと思われたら恐ろしいことや痛いことが起きるかもしれないという恐怖と闘う日々です。
食欲や消化・吸収の機能に影響するほどのストレスなのでしょう。
愛犬たちは誤解してしまっています。
誰も愛犬を傷付けたり恐怖に追い込む気は無かったのに・・・
愛犬を理解した上で、その誤解をどう伝え、安心感を与えてあげられるかが、問題行動の改善への近道でもあります。
犬のしつけは怒らない。怒る理由がないし、その必要もない。
2010/1/17放送の、『鉄腕DASH SP』犬SP!ヤンチャ犬・おデブ犬を訓練!
この内容に則してしつけを再開された多くの飼主さんからご質問をいただきましたので園長なりに整理します。
ダンバー博士のドッグトレーニングこれはほんとに見事でした。
「重要なのは、相手の行動変容である」という認識が徹底してる。
どのトレーニングも重要なことは、3の項目。
ステップ1:問題行動をきちんとターゲッティングし、理解する
ステップ2:問題行動を弱化する要素を与える
ステップ3:望ましい行動を教え、強化する
例えば「おもちゃなど自分のものを取り上げられると噛む」ではどうだった?
ステップ1(理解):これは「自分のものを守る」という本能に基づく行動である。
ステップ2(弱化):同じものを与えて交換することから始め、手放すことを覚えさせるとともに自分のものに固執する習性を弱める。
ステップ3(強化):手放したらしっかりほめる。最終的には交換でなくても手放せるようにする。
ダンバー博士のトレーニング何が凄いって、この中に「問題行動を認識させ、反省させる」という項目がないこと。
行動変容に、反省は必要ない。それってすごいことですよね??
行動変容とは、習慣化された行動パターンを変えることを指します。
トレーニングにおいては、自らの行動のパターンや傾向について自覚を高め、目標達成や能力開発に向けて行動を変えていくことが重要な意味を持つ。
これはしつけの世界では常識なんでしょうか?
日本一のカリスマ訓練士や天才トレーナーのたった2秒で愛犬をおりこうさんにする方法とは違いますよね!!
確かに怒ってることのほとんどは「本人も悪いとはわかってる(でもできない)」ようなことばっかなんですよね。。
徹底して「快」「不快」のコントロールを行うことで、反省ではなく行動変容を促す。
これは、人間を相手にする際にも通じる非常に重要な視点だと思います。
「理解」つまり人間側を組み込んだのは、しつけには時間と根気が必要だからです。
番組では様々な問題行動が改善されるまでに、2〜3ヶ月かかっていました。
問題行動とは基本的には「本能の赴くままにほえる/かむ/飛びつくこと」で、しつけとは「本能的な行動を抑え、社会的な行動を身につけさせること」。
要するに「問題」と言ってるのは単に人間側の都合を押し付けてるに過ぎないと理解しておくと、「なんで止めないんだ!」と怒らずに済むように思います。
■ステップ0があった!
すでに出来上がっていて見えていなかった「ステップ0」が存在することに気づきました?
実は番組内でも1例だけ、「ステップ0」から始まるものがあったのです。
よければスクロールを止めて考えてみてください。
しつけ・指導に必要な「ステップ0」とは何か。
もったいぶっておいて答えは平凡なんですが。
ステップ0:信頼関係を築く
「信頼」というと言葉が強すぎるかもしれません。
そこまで大それたものじゃなくていい。
園長は「Goodを共有する」という表現をしていますが、
つまり「僕が喋ったらとりあえず言うことを聞いてよ。聞いたらきっといいことがあるからさ」ということをわからせておくことです。
番組でも「飼主の母親の言うことは聞くのに、子供の言うことは聞かない」という例が出ていました。
これは従来の考え方では「序列が母親>自分(犬)>子供になっている」と言われていましたが、この考え方は古いのだそうです。
これは単に、「子供の言うことを聞いたら楽しくなれる」という学習がないからなのだそうです。
番組では、子供と犬でボール遊びをして、「子供の言うことを聞くとボール遊びができる」ということを学習させることから始めてました。
ご褒美はおやつを与えるよりも遊びの方が有効なのは、(問題行動=本能)(おやつ=本能)という同じ種類の欲求なので打ち消し効果として弱く、
(問題行動=本能)(遊び、褒める=承認)というふうに種類が違う欲求だからのような気がします。
自分も胸に手をあてて考えてみると、「これを頑張ったらおいしいものが食べられる」みたいないわゆるご褒美ではあまり努力できない一方で、
「あの人が喜ぶかも/失望させたくない」みたいな気持ちがあるときは自発的に努力できる。
関係の築き方についてはいいはじめると終わらなくなるので....。
犬のしつけは「目標を立てて行動する」「これまでやらなかったことをやる/やっていたことを止める」ことですので、要するに行動変容だと再認識しました。
愛犬とのより楽しい生活のために、しつけ方の正しい知識を学びましょう。
犬幼稚園 Buddy Dogでは犬の飼い方・しつけ方・マナー、食事、犬の健康管理・メディカルに関するお話を随時、園長が行っています。
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